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Village Vanguard Jazz Club (N.Y.)

ヴィレッジ ヴァンガード

享楽を求め数多くの音楽を模索してきた人生。その中でもJAZZは大きな割合を占める。ガレスピー、ブレイキー、ゴードン、タイナー、ピーターソン、ジャレットやミンガスなどが耽美な世界へと誘い、音楽人生を彩ってくれた。しかし、エヴァンス・トリオの音楽は彼らのそれとは異なる印象を受けた。圧倒的な陶酔感だ。一辺倒と批判されるようになったバップがFree Jazzへと進化していく中、エヴァンス、ラファロ、モアチンのトリオが独創的な演奏(インタープレイ)を編み出す。ロマン派の影響も見え隠れするエヴァンスの流麗なハーモニーと独創性は、血の滲むようなピアノとの格闘と対話(インプロヴァイゼーション)から生まれたものだろう。エヴァンスの最大の特徴は、パウエルのようなシングルトーン、root、3th、7th、コード進行のようなバップ特有のアドリブとは異なり、テンション・ノートを含むtritone substitution、つまり特有の和音だ。絶妙な中音域のコード進行と特有の残響は、もはや快楽の極みである。マイルス・クインテット時代やVerve移籍後のエヴァンスはあまり好きではない。というよりは、トリオが完成形であるが故の見劣りなのかもしれない。脱退後に劇的な進化を遂げて行ったが、それは、いわゆる当時の逆差別やコルトレーンとの確執、ガーランドの存在が起因していると思う。1959-1961年の3年間がエヴァンスの最盛期だ。その後は、家族やラファロの死を経て、薬物中毒の末の病死で51年の人生に幕を下ろすが、トリオ時代を超える名作は生み出せなかったと個人的には思う。インプロと前衛の世界へ導いてくれたこの時の彼の音楽は、まさに享楽と倒錯そのものである。そんな巨匠が刹那的人生を追い求めて行き着いた場所の一つ、NY・グリニッジビレッジにある”Village Vanguard”。



ゴードンは私にとって神だ。なぜなら、昼夜5セットを通じてVillageVanguardで録音されたリバーサイド名作”Waltz for Debby”と”Sunday at the VillageVanguard” が生まれた最高の演奏場を作り出したからだ。演奏者やオーディエンスが吐き出す煙草の匂いを感じ、耳元で囁かれているようなひそひそ話(うんちく)やグラスの触れ合う音に耳を傾けながらセッションを堪能する。そんな時代を羨ましくも思う。Village Vanguardの入口は、まるでアパートの入口かのような狭く赤いドアがあるのみだ。そこから地下へ繋がる薄暗い階段を降りると、往年のJAZZアーティスト達の写真とスーザフォンが飾られたアンティークな空間が広がる。Blue Noteとは真逆の雰囲気が漂い、どことなく懐かしく馴染み深い。Village Vanguardがなぜそれほど有名なのか。確かに数多くの有名JAZZアーティスト達が演奏してきた場所であり歴史あるJAZZクラブだ。だが、それだけではない。あの低い天井と地下、そしてトライアングルホールから放たれる量感豊かな中低音サウンドを創り出す最高の空間があるからだ。NYの”Birdland”やロンドンの”Ronnie Scott”も空間的には素晴らしい。だが、”音域の深み”という観点から言えばやはり物足りない感がある。Village Vanguardは圧倒的な量感を生み出せる空間だ。トライアングルの頂点に位置するステージにはSteinway&Sonsのピアノが置いてあるが、あの空間で奏でられるその音色はやはりVillage Vanguardでしか味わえない。NYに訪れた際は、ぜひ一度足を運んでほしい場所である。余談だが、2016年9月に”Waltz for Debby”の録音55周年記念として、光学用ガラスを用いた”クリスタルディスク”がUniversal musicから発売された。経年劣化がなく最高音質を誇るこの限定版クリスタルディスク、なんと21万円もする。目が飛び出るような金額だ。最高峰のオープンリールデッキAMPEX351-2で録音されたその演奏がリアルに蘇るとすれば一度拝聴してみたいものだ。





Village Vanguard Jazz Club
178 7th Avenue, New York, NY 10014
14 Street Stationから徒歩約3分
20:30 / 22:30 2回公演(入替制)
http://www.villagevanguard.com/

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