IWATE Pref. Public Hall (Morioka)
岩手県公会堂 (盛岡)
公会堂といえば日比谷公会堂を思い浮かべるが、岩手県公会堂は、日比谷公会堂よりも2年早く竣工している。竣工は昭和2年、まもなく100年を迎えようとする歴史ある建物だ。
設計は日比谷公会堂と同じ佐藤功一。明治から大正へと、西洋の文化がどんどんと流入し、建築にも西洋モダンの流行が訪れる。柱を基調として、上へ上へと伸びる塔が、ヨーロッパの大聖堂などの大型ゴシック建築物への憧れを感じる。石造り、レンガ作りの重厚な雰囲気を出すために、鉄筋コンクリートにタイルを貼るという日本独自の文化の発展を遂げている。手のこんだ立体表現と櫛目によるスクラッチ模様が施されたタイルなど、建築家のこだわりが詰まった建築だと思う。
今も現役で使用されている事が素晴らしく、今後耐震性などの問題で使用されなくなってしまったり、見た目だけの中途半端な保存とならない事を祈る。